Food, place and memory

一皿から、
土地の記憶を読む。

料理は、気候や交易、宗教、移住、保存の知恵が重なってできています。 名前やレシピの先にある「なぜ、この土地で生まれたのか」をたどります。

食CLIMATE · TRADE · MEMORY

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33 stories

食
フィリピン· ルソン島、ビサヤ諸島、ビコール地方· 東南アジアの食文化

バゴオンとパティスの分かれ道、島を渡る発酵の途中

バゴオンと魚醤パティスを分けるのは、待つ日数だけではない。液体を取り出す工程と、発酵途中の魚を島から島へ運んだ記録から、地域の味を仕上げる仕事をたどる。

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全33件

屋外の火に掛けた黒い大鍋で、赤褐色のグヤーシュを長いへらで調理している様子

グヤーシュの鍋は、いつから赤くなったのだろう

牧畜民の鍋は、初めから赤かったわけではない。18世紀末の記録をたどると、パプリカ入りの肉料理、野外の煮炊き、国家の象徴化が別々の速度で重なり、現在のグヤーシュが形づくられた過程が見えてくる。

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白い皿に盛られたバカリャウ・ア・ブラース。

海から遠いポルトガルの食卓へ、塩鱈はどう届いたか

北大西洋で獲れる鱈が、なぜ遠く離れたポルトガルの日々の食卓へ根づいたのか。遠洋漁業の航海暦、塩蔵乾燥、カトリックの節制日、国家による漁業再編をたどる。

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複数の具材を盛り合わせた発酵茶葉サラダを上から写した写真

ミャンマーでは、茶葉を噛みながら話をする

飲み物になるはずの茶葉を発酵させ、皿の上で分け合うラペット。山地と平地を結ぶ交易、婚礼や弔いの作法をたどると、茶葉が人の集まる席を整えてきた姿が見えてくる。

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白い器に褐色の汁と太い麺が盛られ、表面に細切りの野菜と緑の香草が添えられたペナンのアサム・ラクサ。

ラクサを頼むと、白い汁と褐色の汁が出てくる

ココナツミルクのまろやかなラクサと、魚とタマリンドが香る酸っぱいラクサ。同じ名前を持つ二つの汁を、プラナカンの移動と港町の地理からたどる。違いは正解の分裂ではなく、各地の台所が手に入る材料を選び直した跡だった。

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皿の上に、揚げて表面に焼き色がついた薄いテンペが複数重ねて盛られている。

テンペの大豆を白い板へ縫い合わせるものの正体

ばらばらの大豆を結ぶ白いものは、粘りではなくカビの菌糸。ジャワの記録、葉包みの技術、発酵に必要な空気から、テンペの形を読み直す。バナナの葉は菌そのものではなく、発酵の場を整える包みだった。

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フーコック島の魚醤工場で、赤く塗られ太い縄で締められた大型の発酵樽が通路の両側に並んでいる

ヌクマムの一滴は、なぜ船の上から始まるのか

魚と塩だけなのに、ヌクマムの味はどこでも同じにならない。フーコック島の木樽、内臓酵素と耐塩性微生物、船上での塩漬け、港から外へ運ばれる産地名をたどる。

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香草、野菜、肉を挟んだベトナムのバインミー

植民地のパンは、ベトナムの昼ごはんになった

フランス由来のパンに、なます、香草、肉、魚醤。バインミーは異文化の足し算ではなく、持ち込まれたパンをベトナムの日常食へ作り替えた物語です。

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大きな鍋で煮込まれている牛肉のルンダン

ルンダンの鍋は、旅立つ人をどう見送ってきたのか

ルンダンは、カレーの汁を減らした料理ではありません。水分がなくなるまで鍋と向き合う時間に、保存の知恵とミナンカバウの社会が映っています。

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皿に盛られたフィリピンの豚肉のアドボ

アドボに「正解の味」がないのは、なぜなのか

アドボは一つの決まったレシピではありません。酢で煮る知恵に、スペイン語の名前や醤油などが重なり、家庭の数だけ味が生まれました。

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Editorial lenses

三つの視点で読み解く

01

土地と気候

穀物、香辛料、発酵、乾燥。土地の条件が味をどう形づくったかを読みます。

02

人の移動

交易、移住、国境の変化を通して、一皿に重なった文化をたどります。

03

暮らしの知恵

保存方法、祝いの日、日々の台所から、料理が受け継がれた理由を探ります。