Food, place and memory

一皿から、
土地の記憶を読む。

料理は、気候や交易、宗教、移住、保存の知恵が重なってできています。 名前やレシピの先にある「なぜ、この土地で生まれたのか」をたどります。

食CLIMATE · TRADE · MEMORY

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33 stories

食
フィリピン· ルソン島、ビサヤ諸島、ビコール地方· 東南アジアの食文化

バゴオンとパティスの分かれ道、島を渡る発酵の途中

バゴオンと魚醤パティスを分けるのは、待つ日数だけではない。液体を取り出す工程と、発酵途中の魚を島から島へ運んだ記録から、地域の味を仕上げる仕事をたどる。

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全33件

市場の台を囲み、複数の人が細長い葉を編んでクトゥパの袋を作っている様子。

米を菱形へ変える、クトゥパの編み籠の仕事

若いヤシの葉を編み、米を半分だけ詰めて煮るクトゥパ。水を通す編み目が米の膨張を受け止め、祝いの形を作る仕組みと、葉包みでも日持ちには限界がある理由をたどる。

執筆日:

チェターラの港から望む海沿いの町並みとサレルノ湾

魚醤の一滴は、パスタの外でどう使われるのか

定番のスパゲッティだけではない。チェターラの公開メニューをたどると、コラトゥーラは生魚やナッツのペーストにも使われていた。未訪問の2店を、確かめたい味の違いから比べる。

執筆日:

大きな白い皿にクスクスの粒を盛り、上に野菜と肉を重ねたモロッコのクスクス。周囲に複数の小皿が並んでいる。

クスクスの粒は、なぜ煮汁と別に三度蒸されるのか

煮汁の上で蒸し、広い皿へあけ、水を含ませ、またほぐす。モロッコのクスクスに残る往復作業を、造粒、二段鍋、金曜の共同食から読み解く。家庭向けの三度蒸しも紹介する。

執筆日:

バンコクのソムタム屋台のカートに置かれた容器の中に、プラーラーの魚と褐色の発酵液が入っている。

魚の姿を残したまま、プラーラーはなぜ一さじに溶けるのか

雨季の水田魚、乾季の塩、稲から出る米ぬか。それらを甕に集めるプラーラーは、季節の漁獲を保存するだけでなく、魚の身と発酵液を料理全体へ行き渡らせる調味料になった。

執筆日:

瓶に入ったコラトゥーラ・ディ・アリーチを写した写真。

穴のある樽が、イワシの雫を調味料にした[コラトゥーラ]

アマルフィ海岸の港町チェターラでは、塩漬けのカタクチイワシを押し、樽底から落ちる液を集めてきた。捨ててもおかしくない副産物は、木樽の構造、沿岸漁業、祝祭日の食卓によって、一滴ずつ使う調味料になった。

執筆日:

編み目のある蓋付きの籠に盛られた白いもち米。

蓋をするのに、カオニャオの籠はなぜ密閉しないのか

ラオスのもち米カオニャオは、水で炊かず、円錐形の籠で蒸し、編み籠に移して手で食べる。二つの籠が担う水分調整を、雨養稲作と指先に合わせたおかずから読み解く。

執筆日:

カンボジアで、女性が魚のペーストを作っている様子。

トンレサップ湖が縮む季節、プラホックの甕が満ちる

乾季のトンレサップ湖では、狭まる水域に魚が集まり、加工の仕事が一斉に始まる。小魚を塩と時間に預け、一年の食卓へ運ぶプラホックの仕組みをたどる。

執筆日:

細かく切った魚を和えたキニラウを皿に盛った写真

キニラウの魚は白い。でも、火は通っていない

酢や柑橘で魚が白くなるキニラウ。その変化は加熱ではなく、酸によるタンパク質の変性だ。ビサヤとミンダナオの食べ方、各地の酢、タボン・タボンの記憶から、冷蔵以前の魚料理をたどる。

執筆日:

金色に焼けた薄い層が見える、四角く切り分けられたバクラヴァ

バクラヴァは、なぜあれほど薄い生地を重ねるのか

破れそうな生地を幾層も重ねるバクラヴァ。その手間は、巨大な宮廷厨房の分業、ラマダーンの儀礼、都市の菓子店へ続く職人教育によって受け継がれた。蜜の正体と生地の役割をたどり、家庭向けの再現法も考える。

執筆日:

皿に円形に盛られ、中央をくぼませて仕上げたフムス

「フムス」は料理名より先に豆の名だった話

ひよこ豆、タヒニ、レモン、にんにく。材料の短いフムスは、わずかな配合差に土地の輪郭を映す。中世の類似料理から近代の料理書、帰属をめぐる議論まで、一皿が国境からはみ出す過程をたどる。

執筆日:

白い皿に盛られた、表面が狐色から褐色に焼けた円形のタフディーグ。作者Ron Diggity、CC BY 2.0。

鍋底の焦げを、いちばん先に取り分ける理由

米をいったんゆで、湯を切り、もう一度鍋で蒸す。イランの炊飯がつくるのは、ほどける米粒と、限られた鍋底から切り分けるタフディーグだ。焦がすことと、香ばしい層を設計することの境目をたどる。

執筆日:

浅い円形の鍋に炊き上げられたパエリア。黄色みのある米の上に、肉と緑色の豆が見える。

パエリアをたどったら、バレンシアの水路に着いた

海鮮の印象が強いパエリアを、バレンシアの湿地を水田へ変えた灌漑、米の品種、浅く広い鍋から読み直す。家庭向けの3人分レシピ付き。バレンシア風では鶏肉、豆、トマトを用い、米を薄く広げて炊き上げる。

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Editorial lenses

三つの視点で読み解く

01

土地と気候

穀物、香辛料、発酵、乾燥。土地の条件が味をどう形づくったかを読みます。

02

人の移動

交易、移住、国境の変化を通して、一皿に重なった文化をたどります。

03

暮らしの知恵

保存方法、祝いの日、日々の台所から、料理が受け継がれた理由を探ります。